公益社団法人北上青年会議所




理事長所信

 

2023年度理事長

WASSHOI ~みんながみんなのために~

 「もしも自分が青年会議所に入会していなかったら」と考えたとき、皆さんはどんな人生を歩いているのでしょうか。

 2020年より流行した、新型コロナウイルス感染症が及ぼした世界的パンデミックは、人々の生命を脅かし、多くの人に不安を与え、地域の様々な産業における経済損失など、多くの影響を与えてきました。同時に人と人との直接的な関わりに制限が課せられ、周囲との関わりが希薄化し、私たちの活動や運動に対し、制約や意識の低下を招いたのも事実であります。それでも青年会議所は、自分たちが住む地域に意識を向け、運動を展開していかなければなりません。なぜならば、私たち青年会議所メンバーは、JC宣言文にもある「希望をもたらす変革の起点」でなければならないからです。しかし、「希望をもたらす変革の起点」と言葉にするだけでは、意欲的な活動や運動につなげることはできません。そこには、「なぜ青年会議所活動をしなければならないか」、「なぜ青年会議所運動を展開しなければならないか」がとても大切だと私は考えます。私たちは、イベント団体でも、自分たちだけで楽しむ団体でもございません。地域の課題を見出し、地域の発展に向け仲間同士が切磋琢磨することで、地域の未来に向けた運動を展開する団体だからです。故に、青年会議所は、様々な学びを得られるだけでなく、他者をおもい、人に幸せを与えることができる人材へ成長できる組織だと私は考えます。2023年度は、「北上青年会議所を卒業した後、自分はどのようになっていたいか」、「10年後、20年後の自分は、他者にどんなことができる人でありたいか」を考え、北上青年会議所メンバー一人ひとりが、その一歩を踏み出すことのできる一年といたします。それぞれが描く理想のカタチは違えども、自身で考えながら、自分たちのおもいのカタチを見出し、意欲的な活動につなげ、北上青年会議所として地域に対し、魅力ある運動を展開いたします。

 また、北上青年会議所は、創立60周年を迎えます。その背景には、諸先輩方の何年経っても変わらない地域へのおもいと、仲間同士で培ってきた歴史があります。この地域をより良くしたいという先輩方からのおもいを胸に、私たちはこれまで活動してまいりました。創立60周年から新たな未来への歩みを進める今だからこそ、仲間同士手と手を取り合い、私たちが展開する運動によって、地域が抱える人や経済、環境などの課題を解決に導き、多くの市民が希望をもって歩みを進めることができると私は考えます。私たちは、先人たちが築き上げた歴史と伝統を礎に、力強く邁進し、笑顔溢れる「きたかみ」の未来のために「希望をもたらす変革の起点」として前進していく時なのです。

 


和~這い上がることが力となる~

 私は、2013年に北上青年会議所に入会し、本年で10年目を迎えます。入会のきっかけは自己成長のためでした。しかし、当時は自己成長と言葉では簡単に言えましたが、北上青年会議所での活動は、私のおごった気持ちをへし折り、更には、家族や会社から、理解も得られず、大きな負担となっていきました。現役メンバーでも同じようなおもいを抱え、青年会議所活動を行っている人も居るのではないでしょうか。「なんで、あんたが地域のために時間やお金を使わなければならないの?」、「別にあんたじゃなくてもいいんじゃないの?」会社や家族の気持ちを考えれば、当時の私はそう言われても仕方がないと感じます。結果、私はいろいろなことから逃げてしまいました。それは「なぜ、自分が北上青年会議所に入会しているか」を自身でも見出せず、周りは自分の考えなど理解できないと勝手に判断し、心のどこかで身近な会社や家族を自ら遮断し、おもいやりや感謝の気持ちを伝えてなかったからだと今は思います。今私は、少しずつではありますが、家族に感謝を伝え、しっかりと家族の時間を取り、北上青年会議所で何を学び、どういうことをしてきたかを伝えております。そして会社には、北上青年会議所での学びを小さなことでも話し、実践してみることで、共感を得ようと心がけています。そして、その時自分が壁にぶち当たったとき助けてくれるのは、同じ境遇を共にし、間違ったことをしっかり指摘してくれる、北上青年会議所の先輩や仲間たちでした。今の私には、理解し支えてくれる会社や家族、仲間たちがいます。私たちの青年会議所活動や運動は、絶対にひとりでは完結いたしません。その活動の裏には、身近な方の理解、仲間の協力があってこそ成り立つものだと考えます。「なぜ北上青年会議所に入会しているのか」その理由を見出せたとき、すべてに心から向き合い、今の自分を見つめ直し、自身の成長につないでいけるのだと確信しています。


 

和~創立60周年を迎える歴史と未来~

 私たち北上青年会議所は、1964年、高橋与平初代理事長のもとスタートを切り、本年で創立60周年を迎えます。これまで「希望をもたらす変革の起点として」、歩みを止めることなく進み続けて来られたのは、その時代の地域課題に真摯に向き合い、運動を展開してきた先輩方の功績と歴史があるからこそだと考えます。青年会議所は、単年度制の組織ではありますが、展開した運動は引き継がれ、より良いものへと進化し、常に地域と人の成長を考えながら、発信され続けてきました。それは、引き継いでこられた何年経っても変わらない地域への愛と、未来への希望があったからだと考えます。そしてこの歴史は、北上青年会議所メンバーだけで培ってきたものではありません。市民の皆様や協力団体の皆様からのご支援があったからこそ、より地域に根差した運動を展開することができ、本年を迎えられるのです。今一度、紡がれてきたおもいを胸に、これまで功績を残してこられた多くの諸先輩方や市民の皆様、協力団体の皆様に感謝を伝え、未来に向けた歩みを示してまいります。昨年、私たちはこれまでの歴史を振り返り、今後の創立70周年を見据えた運動を推し進める上で、大きな基軸となる創立60周年運動方針を策定いたしました。先輩方が紡いでこられた基盤をより強固なものとし、北上青年会議が一丸となって、心の豊かさ溢れ共感が生まれる「きたかみ」の実現に向け、地域を盛り上げてまいります。


 

和~親愛なる東北74青年会議所の仲間たちへ~

 本年、北上青年会議所では、東北青年フォーラムを主管させていただきます。東北地区には74の青年会議所があり、それぞれが地域に根差した運動を展開しております。東北地区協議会は、各地青年会議所すべてに対し、現代の潮流を読んだ効果的な運動を行い、青年会議所理念を浸透させメンバーの意識向上につなげるなど、収益な情報提供や支援を行っております。東北青年フォーラムは、東北地区協議会の最大の運動発信の場として毎年開催されており、その主管をさせていただくのが私たち北上青年会議所です。私は、東北青年フォーラムが北上青年会議所にとって、さらに組織として強く、魅力的に成長するための「大きな起点」になると考えます。東北地区協議会が発信する、時代の潮流を読んだ地域の益を考えた新たな運動の機会に触れ、様々な団体と共に事業を組み立て、そして何より私たち北上青年会議所が、東北青年フォーラムに真剣に向き合い成長することで、地域の確実な前進につながると考えるからです。まずは、東北青年フォーラムの主催であります東北地区協議会をはじめ、副主幹を担っていただく県内各地青年会議所、そして私たちの最大の理解者でもある北上JC・OB会の皆様と固い結束でつながる必要があります。そして関わる全ての皆様が一丸となり、来訪される青年会議所メンバーや市民の皆様に対し、様々な学びや気づきの機会を提供することで、私たちの住むまちの元気と活力につなげます。本年、私たちが主管する東北青年フォーラムの誘致を決意した先輩方のおもいと共に「きたかみ」の素晴らしい魅力を東北各地に発信し、北上青年会議所が気概と覚悟も持って創り上げる「きたかみ」らしさを存分に発信する大会を実現いたします。



 

和~青年会議所運動を最大限に広げよう~

 私たち青年会議所の運動は、周知や広報を行うことで、より効果的な運動を実現することができます。現在、世の中には、インターネットが張り巡らされ、様々なソーシャルメディアが存在し、情報過多な状況が生まれております。そんな中でも私たちは、運動を発信していかなければ、より多くの人に共感を生むことはできません。発信手段が多様化していく中で、より戦略的に、更には効果的に共感を生むためには、対象者を明確にし、運動の目的や内容をわかりやすく周知することで、私たちの組織や発信する運動の理解につなげることが必要だと考えます。それが、私たちを応援してくれている、家族や会社への感謝や理解につながる大切な広報に成り得るのだと私は考えます。また本年は、東北青年フォーラムの開催を迎える一年です。そこには、東北各地青年会議所のメンバーや関係諸団体、市民の皆様からの理解や協力が必要不可欠となります。共に創り上げる大会だからこそ、共創する団体、市民の皆様の興味や関心を見極め、タイムリーに情報発信することで、私たちの運動が、すべての皆様に浸透し、共感の輪を広げることができるのです。 また、北上青年会議所には、組織として会議や例会、事業、各種大会への参加、他団体への協力などの様々な担いがあり、それらをしっかり取り組んでいくためには、確実な総務活動が必要不可欠です。例会や事業の受付作業、記録作業どれ一つとっても、円滑な組織運営を行うためには大切な担いとなります。組織として当然のことかもしれませんが、当たり前の事を確実に進め、継続していくことは、とても大変なことです。それらに対し、意欲的に向き合い取り組むことが、他者が認める魅力ある組織の構築へつながっていく一歩と考えます。一人ひとりが積極的に活動し、皆様に魅力的な組織と感じていただける北上青年会議所を構築してまいります。

 

 

和~心を同じくして力を合わせ新たな道へ~

 近年猛威を振るった新型コロナウイルス感染症は、人と人との関わりを制限し、様々な産業に大きな影響を及ぼしました。しかしながら、新型コロナウイルスがもたらした影響は、悲観的なものだけではありません。ネットワークを駆使した在宅ワークの普及や、地方産業が主要都市とつながり、直接ビジネスを行えるようになるなど、地方に居ながら各地とつながることが当たり前にできるという、好転となりうる要素もあります。これは地方にとってはチャンスであり、地域の魅力を他の地域に知っていただける機会となり、持続可能な地域へ成長できる可能性がまだまだあるということだと私は考えます。地域には、その土地ならではの魅力的な資源が存在し、私たちが住むきたかみにも、魅力的な文化や資源が多く存在します。それは、文化やモノに限ったことではありません。きたかみに愛着を抱き、地域のために活動する人や団体、そこに住んできたかみを彩る家族や子どもたちも地域の大切な魅力です。きたかみに住むすべての人が、このきたかみの魅力的な資源を発信することで、多くの人たちに興味を持ってもらうことが、価値ある地域へ成長することにつながるものだと考えます。また、北上青年会議所は地域により良い変化をもたらす組織として、これまでの60年間、地域に対し運動を発信し続けてまいりました。これまでの運動は、北上青年会議所だけで展開し続けられたわけではありません。そこには、私たちと同じく地域を愛し、より良い地域への成長を願った行政や、協力団体、多くの市民の皆様の協力があったことに他なりません。創立60周年を迎える本年だからこそ、きたかみに対し、熱いおもいを持った皆様と手を取り合い、一丸となって、価値ある魅力的な地域へ向かって歩みを進めてまいりましょう。


 

和~心が通じ合う仲間と共に~

 青年会議所における会員拡大は、青年会議所活動や運動を行う上で大きな課題であり、今後も更なる課題となり続けるものと考えます。会員拡大は、大きく2つの方法があると私は考えます。先輩方からの紹介やメンバーのつながりから入会につながるものと、そして私たちが発信する青年会議所運動から共感が生まれ、入会につながるものがあると考えます。これまでの会員拡大は、前者で示した先輩方からの紹介とメンバーのつながりからの入会が大半ですが、紹介やつながりから、入会につなげる会員拡大には、限界があると私は考えます。私たちは、運動を発信することで、市民の意識を変革させる組織です。青年会議所という名前では人は集まりません。私たち青年会議所が、発信する運動が共感を生み、その運動が素晴らしければ素晴らしいほど、人は感化され、青年会議所を魅力的に感じてくれます。そのために私たちは、確実に地域から共感を得られつづける運動を展開する必要があります。現在、北上青年会議所は、入会3年未満の会員が半数以上を占めており、日々の青年会議所活動や運動で培われるはずの、地域における青年会議所の必要性や、自身が向き合い活動することから得られる価値について、一人ひとりが十分に理解できている状態とは言えません。これからの会員拡大を考えたとき、これまでの会員拡大ももちろん必要ですが、より共感を生む運動を展開し続け、私たち北上青年会議所を魅力的に感じていただくことも、会員拡大には大切だと私は考えます。新入会員だけではなく、組織として青年会議所を学び、会員一人ひとりが活動意識を向上させることで、私たちの運動が持つ力は、より強いものとなり、伝播を続け共感につなげることができます。北上青年会議所での活動や運動は、他にはない魅力を持ち合わせていると確信しております。会員一丸となり魅力的な運動を発信し続けることで、仲間が仲間を呼べる会員拡大につなげてまいります。


 

和~様々な和が重なったその先に~

 「もしも自分が青年会議所に入会してなかったら」と考えたとき、私なら他者の意見を取り入れることなく、自身の知識と経験だけで物事を判断し、人に助けてもらうことの有難みを軽視し、人のために尽くすことができない人間になっていたのだと、今なら思います。自らが学び経験を重ね、成長することはとても素晴らしいことです。しかし、その学びや成長は、自身のためだけに使われるものであってはいけません。学びや気づき、経験を自分の身近な人から共有していくことで、関係が構築され、更なる力となり、自身に返ってくると私は確信しています。青年会議所が「希望をもたらす変革の起点となる」と宣言しているのは、私たちは、利他の精神を持ち、地域の課題を解決につなげる運動を発信することで、他者を巻き込む「和」を創り上げ、大きな力となり、地域を明るい豊かな社会へ導くことの必要性を説いているのだと考えます。「なぜ」、「なんのために」、青年会議所に入会しているかを考えたとき、それぞれの目指すおもいがあって、そこに向け共に切磋琢磨し協力することで、他者のために尽くすことができる人材と成り得るのだと考えます。そして、入会間もないメンバーが大半を占める北上青年会議所が、組織として更に飛躍するためには、全てのメンバーが意欲的に北上青年会議所で活動を行い、経験が長いメンバーが自身の経験を基に、青年会議所の在り方を伝え、互いを認め合うことで、おもいやり溢れる魅力的な組織とつながってまいります。

WASSHOI ~みんながみんなのために~

 まつりの掛け声で使われる「わっしょい」には様々な意味、由来がありますが「和を背負う」という意味合いが最も有力とされています。本年度は、「一緒に」、「調和」、「仲良く」、「なごむ」、「合わさる」などの意味合いを持つそれぞれの「和」を、一人ひとりが力を合わせて担ぎ一歩一歩確実に前に進んでいくこと、そしてみんなで声をかけ合いながら、支え合っていくことで、北上青年会議の組織が確実な前進を遂げることができると考え、スローガンといたしました。 一人ひとり力を合わせ、北上青年会議所を担ぎ、確実な一歩を積み重ね、共に地域の明るい未来に向け、歩みを進めてまいりましょう。