一般社団法人北上青年会議所
2025年度 理事長所信
理事長 安德幸直
一期一会の宝 幸せへツナグ
「出会いは一生に一度のものである」

出会いの瞬間を大切にする姿勢は、人との出会いを貴重なものと捉え、その瞬間を逃さず大切にし、短い時間でも深い絆や信頼関係を築くことで、繋がりの輪を拡げます。そして、出会いから得られる感動や気付きは、自己成長に繋がり、他者の価値観や経験を尊重することができます。

私は、青年会議所に入会して、多くの人との出会いがありました。入会した当初は青年会議所がどんな運動をやっているのか分からず、先輩方から事業に誘っていただき、とにかく参加してみるということを繰り返しておりました。事業に参加すると、「いつもありがとう」、「来てくれて助かった」など事業に参加しているだけの私に対し、先輩方は、来てよかったと思える言葉をかけてくれました。子供たちの未来を考え、地域の未来を考え、そして社業に家庭にすべてに全力で取り組む、先輩方を少しでも支えていけたらと思い、青年会議所活動を続けてまいりました。  先輩方のためにという想いから活動を続けてきた青年会議所活動でしたが、改めて青年会議所をなぜやっているのかを考える機会がありました。それは、私が会員拡大委員会の委員長を務めることになった2021年の時でした。会員拡大委員会はその名の通り、会員の拡大をしていく委員会であります。会員を拡大するには、私自身が青年会議所の価値を明確に理解し、それを伝え、同じ志を持った仲間の輪を拡げていく必要があると考えました。

 

「私たちは、何のために、誰のために、青年会議所活動を行っているのか?」
 「私たちは、青年会議所活動を通して何がしたいのか?」
この考える力は常に疑問を持つことから始まります。「なぜ」と常に自分自身に問いかけながら考えを醸成させていき行動に移していくこと、それを周囲に伝えていくことが大切だと考えます。「なぜ」から始まる思考こそが、より良い変化をもたらす力を青年に与えるために発展と成長の機会を提供するという青年会議所の使命に繋がり、愛する地域の発展に繋がります。

地域のためにという言葉を聞くと、様々な意見があると思います。私も友人と話しているときに、「青年会議所って大変だよね」、「地域のためにすごいよね」、「おれにはそんなことできないや」大半の方はそうかと思います。それでも私たちが地域課題に向き合い、自分たちの時間を使いながら運動を発信するのはなぜでしょうか。
考えてみてください。
友人はどこに住んでいるのか?
会社はどこにあるのか?
家族はどこに住んでいるのか?
私たちはどこに住んでいるのか?

答えはきたかみです。

地域課題に向き合い、地域のよりよい発展を目指す私たちの運動は、友人、会社、家族、私たちの身近な人の幸せに繋がります。

だからこそ、自らが住み暮らす「きたかみ」のために、多くの仲間と、活動を通じて成長をしていき、一期一会の出会いに感謝と覚悟を持って行動を続けてまいります。

心をツナグ
 私が理想とする組織は、メンバー同士が信頼し合い、組織の結束力が高く、失敗を恐れずに挑戦できる、持続可能な組織です。
北上青年会議所は60年以上の歴史の中、時代の変化に合わせながら対応し、地域課題に向き合い続けた、先輩の皆様の運動によって築き上げられてきた組織です。
一方で、テクノロジーの急速な発展やグローバル化、気候変動、新型コロナウイルスの影響は、先行きが不透明で、将来の予測が困難な状況になっています。このような環境では、個人のストレスや不安が高まりやすく、新しい挑戦にはリスクが伴います。
私たちは、メンバーの挑戦に柔軟に向き合い、他者と協力しながら自由に意見交換を行い、迅速な解決策を見出す必要があります。そこに必要となるのがリーダーの存在です。リーダーには相手を受け入れる姿勢が必要であり、メンバーが自分の意見やアイデアを自由に表現できる環境を創っていく必要性があります。
私は、自分の意見はしっかり伝えるもの、相手に遠慮していては相手のためにならないと思う時期がありました。いまでも必要なこととは思います。しかし、そこには相手との関係性や相手に対する伝え方の配慮も必要だと考えます。また、一人ひとりにとって居心地のいい組織であればと思う時期もありました。しかし、常に居心地のいい組織というものは成立しないとも考えます。
私は、自分の発言や指摘が、自分の立場や周囲との人間関係を悪化させないと信じられている組織になっていく必要があると考えます。これには、話しやすさ、助け合いの精神が必要であり、相手との会話を大切に多くのコミュニケーションをとり、相手をもっと知ることが大切です。このような行動で築かれた組織は、一人ひとりに心の余裕が生まれ、時代の変化に柔軟でスピーディーな決断ができるようになり、お互いの信頼関係が築かれ、心の通じ合う組織となります。

仲間の輪をツナグ
 私は、人の意識を変化させ、成長を促す機会を提供することが青年会議所の使命であり、地域をよりよくしたいと思う人の繋がりの輪を生み出し続けることが必要だと考えます。
私たちは、それぞれ違う環境で育ち、全く違う価値観を持っており、入会した動機は様々です。現在は約40名の会員がいます。私が入会したときには60名を超えるメンバーがおり、100名以上のメンバーがいた時代もありました。このように会員数の減少は明らかで、地域のためを想い運動を展開してきたメンバーの減少は、地域が衰退する要因にもなります。だからこそ、会員拡大は青年会議所運動の根幹であり、共に自らが住み暮らす地域のために真剣に取り組んでいかなければなりません。人数が多ければいいという話ではありませんが、少しでも多くの方に青年会議所に触れていただき、一緒に運動を展開していくことが重要です。これにはメンバー一人ひとりが意識を変えて、メンバー自身が改めて考えなければならないことがあります。それは、「なぜ青年会議所活動を続けているのか」という点です。これはすぐに答えの出ることではありません。それぞれ入会した動機が違い、価値観も違います。ぜひ、このなぜをメンバー一人ひとりはしっかり自分に問いかけていただきたいです。
 私自身、青年会議所に入ってから、全くの他業種の方や、学生時代には関りを持ったことのなかった方との多くの出会いをいただきました。その出会いだけでもとても貴重な経験となりますが、そこから生まれる友情はさらに尊いものとなります。この友情は、地域のために切磋琢磨しながら自己研鑽を積み重ね、活動していく中で育まれていきます。
 この仲間の輪が大きく広がっていく会員拡大運動は、多様な背景や視点を持つ会員が増えることで、より豊かなアイデアや意見が生まれます。このような多様性と創造性は、組織力の向上に繋がり、持続可能な地域のよりよい発展に繋がります。

個の成長からツナグ
 私は、個の成長の機会を提供することが、よりよい地域の発展に繋がり、地域のリーダーを生み出し続けることに繋がると考えます。
 個人の一つひとつの行動には理由があり、新しい経験や挑戦を通じて、知識やスキルを磨き、個人の能力を向上させ、成長は適応力を高め、変化する環境や社会に対応する力を育みます。成長は個人の可能性を拡げ、人間関係や社会貢献においても重要な役割を果たすことで、自らが理想とする未来へと繋がります。
 私は、青年会議所に入会したことで、自分自身の考え方や行動が変わったことを実感しております。私自身、青年会議所に入会するまでは、自分たちの利益のため、自分たちの会社がよくなるため、自分たちのやりたいことをやるという、自分が中心の考えで全ての物事を進めてきました。そんな、自分自身を変えてくれたのが青年会議所であり、いままでお世話になってきた多くの人との出会いと事業や例会での経験が変わる気付きを与えてくれたのだと考えます。
成長することで、私たちは自己理解を深め、より豊かな人間関係を築き、社会に貢献する力を発揮することができます。成長の過程は、私たちの人生を豊かにし、自分の存在意義や生きる意味を見つけるための一つの旅でもあります。

人へツナグ
 私はより多くの人に青年会議所の魅力を知ってもらい、身近な家族や会社からの共感を得ることが必要だと考えます。
 私たち、青年会議所が創り上げていく運動には、青年会議所メンバーだけでなく多くの人に携わっていただき共に事業を創り上げてきております。この事業において、メンバー以外の方との関係性を作っていくことはとても重要なことであり、それには知名度と認知度を高め、この違いを正確に理解したうえで、情報の発信をしていく必要があります。知名度とは名前を知ってもらうことで、知名度を高めるには、ターゲットを明確にして、メディアやSNSなどを利用するなど効果的な計画を立てる必要があります。認知度とは中身を知ってもらうことで、認知度を高めるには相手の目線にたったコンテンツの内容の精査が必要になります。時代の変化に伴い、SNSなどの情報発信の媒体は多く存在します。情報の発信のしやすさは上がっておりますが、情報に溢れた時代となっており、伝えたい相手に届けたい内容を届けることは簡単なことではありません。青年会議所の運動は多くのメンバー以外の方が存在してこそ、地域のために意味のある運動となります。知名度と認知度を上げていく、人に知ってもらうことは青年会議所の運動の第一歩であり、ここから始まります。
 伝えたい相手に届けたい内容を送る広報活動は、年間を通して実行可能な計画と伝えたい内容を考え、家族・友人・会社の人・地域の人と繋いでいく必要があります。一人でも共感を得られれば、そこからまた次の人へ繋がっていく、そんな連鎖をしていくことで、青年会議所の運動がより、地域にとって効果的な運動になっていくと考えます。

未来へツナグ
 私は、地域を創り上げていく人と地域を担っていく人が、お互いに笑顔が絶えない幸せを実感できるまちにしたいと考えます。そこには人との出会いや相手への思いやりから創造した地域である必要があります。地域を良くするのも悪くするもの人であり、この幸せを実感できるまちにできるかは、一人ひとりの行動にかかっています。
私たちは、人づくりこそ、まちづくりという精神を受け継ぎ活動を続けてまいりました。なぜなら、まちは「人」で成り立っており、人口の減少は、まちの活力の衰退にも繋がります。まちを持続可能なものにするためには、誰もがそれぞれの場面で活躍できる元気な社会を実現することが必要です。住んでいる人はいつまでも住み続けたいと望み、一度市外へ出ても安心して戻ってくることができ、市外や県外の人には住んでみたいと思われるような、幸せを実感できるまちが目指すべき姿です。
 そのためには、関係諸団体の皆様や地域の皆様とともに、地域にとって何が必要なのかを真剣に考え、「こんなまちになってほしい」、「こんなまちなら住みたい」、「こんなまちなら戻ってきたい」と思えるようなまちにしていく必要があります。
 まちを創るのは「人」です。これからの未来を創っていく私たちが、これからの未来を担っていく子どもたちへ残せるのは、幸せを実感できるまちについて本気で考え、実行していくことです。先の見えない変化の多い時代だからこそ、行動が必要です。一人ひとりの行動がまちの未来を変えます。今一度、皆さんと理想の未来を創造していく必要があります。

幸せをツナグ

私たち、青年会議所の運動は人に言われてやるものではありません。自らが真剣に考え、地域をよりよくしたいと思い実行することが必要です。

まずは地域のために行動する機会を提供するのが私たち青年会議所です。

私たちの愛する地域のために、そして社業の発展のために、大切な家族のために

いまできること

いましかできないこと

青年会議所にいるからできることを自ら実行しましょう。

これまで青年会議所を通して、多くの方に助けていただきました。そして学びの機会をいただきました。関係諸団体の皆様、地域の皆様の協力があったからこそ、事業が実施できております。また、先輩の皆様の弛まぬ努力があったからこそ、北上青年会議所の絆があります。そして、私たちが青年会議所の活動に取り組むことができるのは、家族や職場など、身近な人の支えがあるからです。それは決して当たり前のことではありません。

これらすべての人に、JAYCEEとしてJCに取り組むことができることへの感謝を忘れず、心の通い合った仲間とともに、嬉しいこと、悔しいこと、悲しいこと、楽しいことを共有し、時代の変化に合わせた柔軟な姿勢で、現状に満足せず、常に疑問を持ち地域のよりよい発展のために、邁進していきましょう。

一期一会の出会いに感謝と覚悟を持って